アイ・アム・レジェンド 【I AM LEGEND】

アイ・アム・レジェンド (Blu-ray Disc)

• 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
• メディア: Blu-ray

ガンを治す薬－。
そんな夢のような治療薬が、まさか人類を滅ぼす劇薬になるとは…。

「はしか」を改良して作ったガン治療薬は、ウィルスとして広まり
そのウィルスに侵された人間は、人ならざる者へと変異していった…。
免疫があった主人公ロバート・ネビル（ウィル・スミス）は
ただ独り、人としてニューヨークで生き残る。

騒動から三年。
科学者であるネビルは
ウィルスに免疫がある自分の血から、特効薬を作ろうと奮闘する。
その合間に愛犬のサムと、廃墟となったニューヨークを彷徨い
マネキンを住人に見立てては、声をかけたり
動物園から逃げた動物をハンティングしたり
毎日、生存者へ無線でメッセージを流し
同じ場所で待ち続ける。

以下、ネタバレ感想です。
読みたくない方は「続きを読む」から、読まないで下さいね。

物語的には、あまりエピソードが無く進んでいきます。

映画前編の半分くらいは、廃墟で独りのシーン。
合間に過去の騒動のシーンが描かれる。
途中でサムが亡くなり、自暴自棄になった主人公が感染者に特攻。
圧倒的な感染者の数に押され、主人公ピンチ。
そこを主人公以外の生存者（母親と幼い息子）が現れ主人公を助ける。
生存者のせいで隠れ家がバレ、感染者に襲われる。
それと同時に特効薬が完成。
特効薬を生存者に託し、主人公は感染者を道連れに自爆。
生存者の親子は
他の生存者の集まっているコロニーに無事逃げて終わり。

ぶっちゃけ、内容的にはこれで終わり。

ただ誰もいない廃墟となったニューヨークで
毎日、生存者を待ち続ける姿は空しさが漂い
主人公の孤独感が感じられて良かったです。

自分が誰もいない街で、独りになった時に
こんなにキチンとした生活ができるかなぁ…と想像。
多分、好きな時に動き、好きな時に寝て、好きな時に食べ物を漁る
そんな動物のような生活を送ってしまいそう…。

一見、自由なようで縛りが無い生活は
感情が薄れていき、人間としての尊厳を守る必要も無くなり
人間らしく生きられなくなっていきそうで想像すると怖いです。

それを思うと主人公が人間らしく振舞っていられたのは
一緒にいてくれた愛犬サムのお蔭だったと思う。
実際サムが感染し、自らの手でサムに引導を渡した後の主人公は
感染者に車で突撃する無謀さを見せます。
多分この時の主人公は「死んでも良い」って思ったんじゃないかな。
この無謀さを見ると、特効薬を作るのは
する事も無いから何となくしてた程度だったのかも。
特に「自分がなんとかしてやろう！」という気概が映画の中では
そんなに感じられなかったし。
騒動で無くなった奥さんと娘さん、その娘さんから預けられたサム。
自分が人間らしくいる為に必要な存在だったんだね…。

このワンコが可愛い上に演技が達者なのが良かった！
サムって読んでるから男の子かなって思ったら
ワンコが瀕死の時に「サマンサ」って呼びかけるから
女の子だったのか！って驚いたのと同時に
ますます、娘さんの形見って感じが色濃く感じられました。

そういえば、人間らしくの部分。
感染した人類は、日の光に過敏になり死んでしまうから
夜にしか行動出来ないけど
感染者への人体実験の為に、ネビルが感染者を捕まえた時
その感染者（女性）を追って
光の下に出ようとする感染者（男性：感染者のリーダー）に驚きました。

感染者は血を求めて彷徨ったりするけど
このリーダーのように、ちゃんと統率者がいたり
ネビルを捕らえる為に罠を仕掛けたり
感染した犬を飼いならしていたり
ネビルに捕らえた仲間を助けようとしたり…と考える頭がある。

でも人間のように、損得を考えて行動していないから
その姿は動物的に感じられる。
アイアムレジェンドは、新たな生物の誕生話といえるかも？！

アイアムレジェンドをググると「SFじゃなく、ゾンビ映画だった」って
意見を良く見かけるけど、ゾンビは死者で
この映画の感染者は（色味は悪いけどｗ）人間
もしくは、新たな生物を描いているからSFだと私は思いました。

ままあ悪くない映画だったけど、納得できないシーンが幾つか。
ラストで生存者の母親と息子を隠し、感染者と自爆するネビル。
いやいやチョット待て！
ここは博士であるネビルも生き残ろうよ…。
免疫があって生き延びた人達の中に、科学者が居るって保証ないよねぇ。

終わり的にはドラマティックかもしれないけど
ちょっと納得できない。

後、生存者のコロニーがあるから一緒に行こうって言っていた母親。
「勘」とか「神様が言ってた」とか
そんな理由で、三年間もずっと独りで居たネビルが動くか？！
それとも「神」って言えば、外人さんは納得するのかなぁ…。
私は、その台詞を聞いた時に
この人達は2人っきりで、感染者の恐怖に怯えながら旅してきたから
オカシクなったんだ…って思っちゃったし(´Д｀;)ヾ

そこも納得できないー！

でも一番納得できないのは、タイトルの「I AM LEGEND」
レジェンドになったのはネビルだから
ネビル本人が「俺、伝説」って言うなら納得だけど
ラストでネビルが伝説になったって言ってるのは
逃げ延びた生存者の親子だし。
それだと「HE IS LEGEND」だよね？

これも納得できないーっ！！

観る人によって、感想の変わる映画だと思うけど
私は（タイトルについては冗談だけどｗ）この納得できない部分が無かったら
もっと良かったな～。

ちょっとシワがみられ、年とったな～ウィル・スミス。
でも逆に渋さが漂い、追い詰められた表情や演技力にひきこまれました。

タグ：ウィル・スミス 地球最後の男

コメント 2

ご無沙汰してました、元気そうですね～＾＾

この映画は久しぶりに映画館まで足を運んで観た映画でした。
この手の物語は好きなもので、ＤＶＤも買ってコレクション入りです
（これからはブルーレイを買わなきゃ）

そのＤＶＤに特典として本来エンディングに使用されるはずの
ラストシーンが入っていましたけど、ミコさん見ました？

なぜ差し替えられたのか分かりませんが、私としては
差し替えずにそのまま使っていたほうが良かったのでは！？

「ちょっと納得できない。」も少しは解消できるかも
「もっと納得できない。」に変わったりしてね（笑）

by 山猫 (2008-05-28 10:15) 

山猫さん＞お久しぶりです、ナントカぼちぼちやってます(*^-^*)
私はレンタルで済ませちゃうから、映像特典のラストは知らないです。
そんなわけでググってみましたｗ

今回書いたけど、私がこの映画で思った「新たな生物の誕生」が
より感じられる別エンディングのようで、私的には「これなら納得」でした。
ネビルが生き残り、逃亡先でワクチンを作ってもレジェンドになるから
山猫さんが言うとおり、このEDでも良かったですねぇ。
by みこ (2008-05-28 11:25)